平日の午前中、
快晴の東京都現代美術館。
「イサム・ノグチ展」9/16(金)~11/27(日)
写真は、遊具「オクテトラ(Octetra)」。
会場には、
時代の変遷と共に、さまざまな素材の抽象作品が展示されている。
グアッシュの抽象画に始まり、
師ブランクーシに倣ったような真鍮の抽象彫刻、
縞めのうや大理石、
鉄板を折り曲げたような作品は、ブロンズ製だ。
有名な「あかり」シリーズは、和紙と竹。
しかし、
中でも心動かされたのは、岩石を使った作品群だった。
「この場所(This Place)」1968 黒花崗岩
「オリジン(Origin)」1968 アフリカ産黒花崗岩
「エイジ(Age)」1981 玄武岩
「砥石(Whetstone)」1974 花崗岩、木
黒い石。
その一部分は、徹底的に磨かれ、つるつるになっている。
その他の部分は、いま山から掘り起こされたかのように
ごつごつ、ざらざらと、凸凹としたテクスチャを持っている。
(このテクスチャも後から加工されたものだろうが、とても自然に感じる。)
そのつるつるとざらざらのコントラストが、
見るものの触覚をやけに刺激するのだ。
美術館の監視員がいなければ、心ゆくまで撫でまわしていたことだろう。
本展覧会の目玉「エナジー・ヴォイド(Energy Void)」1971-72も、
スウェーデン産花崗岩でできている。
以前、直島へ行った帰途、
香川県のイサム・ノグチ庭園美術館へ足を向けたことがある。
そのときは、事前予約制とは知らず、
結局入ることはできなかった。
今回出品されている石の彫刻群は、
すべてニューヨークのノグチ・ミュージアム所蔵とのことで、
香川の美術館のものは無かった。
香川の美術館は、まさに晩年の石の彫刻ばかりを
展示したものと聞く。
次に直島へ行くときには、必ず予約をして行こう。
投稿者 vacant : 2005年11月09日 16:27 | トラックバック