2006年08月04日

駅のトイレから出ると(つづき)、

同じ電車に乗ってきた人々の姿はもうなく、

切符を回収する駅員すらいなくなった改札を抜ける。

近代的な駅。

西側の出口には、高い天井から、巨大な「AtoZ」展の広告幕が下がっている。

それをケータイで撮影している女性がひとり。

バスターミナルに出る。

クーラーのような風が吹く。

行き方の表示なんて、どこにもありゃしない。

29日、土曜日、初日の13時過ぎ、弘前。

閑散とした街。

しかし、私はこの町がきらいじゃない。

むしろ好きだ。

たとえば、高松のような、往時の面影を失った中年のホステスのような、哀しい街とは違って

この町は、

和服の似合う、小さなおばあさん。どことなく上品で、涼しげな顔。

タクシーで会場へ向かう。

煉瓦色の、見憶えのある建物が見えてきた。

真っ白なアルファベットが並んでいる。

若草色の芝生。クーラーのような風が吹いている。

吉井酒造煉瓦倉庫の前には、椅子代わりの、プラスチックのビールケースが並んでいる。

そこにぱらぱらと人が、思い思い座ってる。

閑散として、クーラーのような風が吹いている。

初日、弘前。

投稿者 vacant : 2006年08月04日 21:52 | トラックバック
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