「風邪なおる」という語は、早春の季語にすればいいとおもう。
或いは、「病み上がる」とか。
「春来たり」というのと、同じような語感を感じるのは何故だろう。
確か、去年もこんな感じだった、
なんて思ってしまいたくなるような。
回愎して体が楽になりつつある心地と
五感のどこかが春の気配を察知し、そわそわと戸惑う感じが、
妙に似ており、そればかりかまた
快復期にあるアタマのぼんやり感と、早すぎる春に反応したアタマの酩酊感が
これまた妙にシンクロするところから、
確か、去年もこんな感じだった、
なんてデジャヴを感じてしまうくらい
病み上がりと春の気配には親和性がある。
春 宵 や 風 邪 な お り タ ク シ ー の 提 灯 に じ む
春 宵 や i P o d し ま の 唄 え ら ぶ
春 宵 や 地 下 鉄 の 行 く 顔 す べ て 愛 ら し い 哉