とはいえ、
そんな小西康陽にだって、当然新人時代はあったわけで、
憶えているのは
80年代前半に
大阪の、なんば近鉄劇場(? そんなものはない?)で催された
細野晴臣率いる
NON STANDARD LABEL の新人バンドの合同コンサート。
出演は、
URBAN DANCE(アーバンダンス: “ポストYMO”という重すぎた期待)
や
SHI-SHONEN(シ・ショーネン: 切なメロ歌系。当時PSY’S(サイズ)と近いイメージ。)
そして
ピチカート・ファイヴ。
つまり
細野一門の期待の有望株だったわけです。
(ちなみに、このコンサートの二日目は、確か立花ハジメ『TAIYO-SUN』だった・・・。)
このときのコンサートで演奏された
Pizzicato Vの
『動物園のワニ(Alligator Boogaloo)』という曲を聴いて、
なんてステキ、
とファンになったのだが
不思議なことに
その後、どんなにレコードを探しても
なぜか、この曲が入った音源は見つからなかった。。。。
(『What's New, PIZZICATO?』 に曲の一部がサンプリング使用されている。)
今でも不思議。
※そして時は流れ、いま、おそるおそる検索窓に
『動物園のワニ』と入力してみた。。。
世界にたった二人だけ、この曲にわずかに言及してるひとがいた。
・・・
えーと、
今日、書きたかったのは
実は、青年時代の小西康陽のことではなくて・・・。
ひょんなきっかけで
クラムボンの、『3 peace ~live at 百年蔵~』
という二枚組ライブCDを聴いた。
クラムボンには、まったく関心がなかったのだが
このライブを聴いて、
あまりにいろんなイメージを思い出してしまい
そのなかのひとつが
近鉄ホールのピチカートVコンサート(をオンエアしたFMのエアチェックテープ!)
だったのです。
クラムボンの『3 peace ~live at 百年蔵~』には、
かなりくらくらさせられた。
一度めは、スピーカーで聴いた。
まるで、その夜のライブ会場にいあわせているかのように
追体験した。
二度目は、イヤホンで聴いた。
すると、なぜだか
まるで深夜放送のパーソナリティーの声に
耳を傾けているかのような
切ないものに聞こえてきた。
まるで、
今夜が最終回の放送で
パーソナリティーが、予告なしに始めた
スタジオライブのように。
今夜の番組が終われば、
パーソナリティーは夜明けの放送局を出て、
また元の人生に戻るのだろう。
ただし、リスナーはもうそれを知ることはできない。
・・・
聴きながら
思い出した
もうひとつのイメージは、
奈良サンの、弘前の吉井酒造倉庫だ。。。
(え? また?)
昔の酒蔵に
淡い、橙色の、灯がともり
音が、響く、延びる。
そして吸われていく。
「百年蔵」は、(おそらく)福岡。
吉井酒造倉庫は、青森県。
アーチストには、
地元に戻ってきた
安堵と高揚感があり、
迎えるオーディエンスも
いつにもまして、土地への愛がアンプリファイアーされている。
そして
芽生える、かすかな旅愁。
・・・
で、
そもそも
どうしてPizzicato Fiveを思いだしたんだっけ。
あ、そうそう、
このクラムボンという人たちが
2000年代とは思えないほど
あの頃の
PSY・S(サイズ、松浦雅也、チャカ)や、
QUZILA(クジラ)や、
SHI-SHONENや、
コシミハルや
そんなような
どうしようもなく「ロックじゃない音」を
思い出させたから。
・・・
アンコールの
ラスト曲は、
真心ブラザーズの『サマー・ヌード』。
こんな
ステキなアレンジにしてもらっちゃって、まあ・・・
カバー冥利につきる、っつうか
カバーされ冥利につきる、っつうか。
・・・
深夜放送の最終回が、
もうすぐ終わる。
もうすぐ夜が明ける。
何をきいても、何かを思いだす。
・・・
投稿者 vacant : 2007年08月02日 22:43 | トラックバック