2008年03月18日

春の闇よりつぎつぎに濤頭(なみがしら)              清崎敏郎


                                                                                                                                                        


春鹿の眉あるごとく人を見し                      原石鼎


                                                                                                                                                        


春眠の夢路を借りて母に会ふ                     金泰定


                                                                                                                                                        


願はくはわれ春風に身をなして憂ある人の門をとはばや    佐佐木信綱


                                                                                                                                                        


下萌の土手をななめに下りけり                   吉田佳代


                                                                                                                                                        


峰つづき都に遠き山々の限も見えて残る雪かな         後水尾院


                                                                                                                                                        


半面のかがやき思ひわがねむるこの半球は春の闇なり    五島美代子


                                                                                                                                                        


(いずれも読売新聞「四季」欄より
 上から、2008.3.9、13、4、2、7、12、2.22)

投稿者 vacant : 2008年03月18日 00:56 | トラックバック
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