終わりの曲が好きだ。
映画のエンドロールにふさわしい曲が。
エンドロールが好きだ。
突然物語が切り落とされ、
最後の曲の最初の一音が、すべての終わりを告げる瞬間が。
音楽は戻らない。
時間に、逆らえない。
エンドロールの1曲目が終わり、
間をおいて
2曲目につづく瞬間も好きだ。
音楽が続いていくほど、
物語は過去へと連れ去られていく。
永遠に引いていく波のように。
・・・
3月31日。
どこまでも続く水田は
緑色に輝いている
諫早。
水田の遥かむこうに街、そして山裾。
国道と並走するように、水田のなかを赤錆色の軌道がどこまでも走っている。
物語はもうすぐ終わるのだろう。
The Band Apartの
「In My Room」という曲が流れる。
Eternity
だったのか。
誰にでも21のときがあった。
赤錆色の線路がどこまでも追いかけてくるのを眺めながら
想っている。
近づいたり離れたりしながら。
いつまでも続くリフのように。