瓜冷しあるとおもへば闇ゆたか 中島八州央
瓜冷すまはりの水をまはしつつ 鳥居真里子
昼顔のほとりによべの渚あり 石田波郷
ゆきなやむ牛のあゆみにたつ塵の風さへあつき夏の小車 藤原定家
いもうとの仕返しにゆく青田道 姜琪東
本ぶりになつて出て行雨やどり 『柳多留』
情深くして夏掛の薄さかな 橋本栄治
月かげや夜も水売る日本橋 一茶
まさらなる秋の扇のうらおもて 深見けんじ
八月まひる銀の車輌は傾きて吊り革の輪しんと打ち合う 加藤治郎
上海市外に刈る人のなき稲を見て長息しといふ兵は農夫か 半田良平
昭和とは貨物列車よ大西日 森玲子
(いずれも読売新聞「四季」欄より
上から、2008.7/23,25,26,20,27,28 8/3,5,8,12,15,6)