積みあげし死体に移りゆかむ火をふたところより人はつけしか 竹山広
原爆犠牲者の遺体を荼毘にふすところ。荼毘とはいっても山のように積みあげて火をかけるのみ。その火を二か所からつけたという叙事的な記述がありありと場面を浮かび上がらせる。これは地獄にあらず、かつてこの地上で起きたこと。
(2010/8/7 読売新聞 四季 長谷川櫂)