2010年12月29日

2010年12月29日(水)読売新聞「人生案内」欄 より


回答:出久根達郎(作家)

 お手紙からは男性か女性かわかりませんが、あなたは本紙を広げ、人生案内欄を読み、いろんな悩みを抱えて懸命に生きている人たちを知った。自分にもこんな悩みがある、ご回答をお願いします、とお手紙を下さった。
 何事にも関心がないとは言わせませんよ。関心のない人は、手紙を書きません。あなたは誤字一つない、実に美しい文字で、ていねいに書いてよこされた。今どき手書きで。語彙の少ない人が、「端から」とか「極力」とか出てくるものですか。あなたは自分を大げさに捉えすぎるのです。過剰に卑下しているのです。自分を必要以上に悪く見せるのは、自慢と同じです。
 あなたはお若いのに無職ですね。いろいろ理由はあるのでしょうが、働かなくてはいけません。まず働いてお金を稼ぐこと。その上で、自分の要求を出すことです。そうすれば人はあなたの意見に耳を傾けてくれます。あなたの方に振り返ってくれれば、関心も湧くでしょうし、好奇心も強くなります。理屈だけ言っていたら相手にされませんよ。

投稿者 vacant : 2010年12月29日 10:23 | トラックバック
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