ソマリア、保線区、8時18分。
朝、有楽町線市ヶ谷駅を過ぎた辺りだろうか、電車の扉に向かって立っている黄色の帽子を被った男子小学生は、手に持った白いビニール袋を自らの顔に寄せ付けて、中年男性が発するそれのように幾度かえづくと、かつて朝食だった物体をリバースしているのだった。
・・・いやいやいや、ていうか具合悪いんだったら休みなよ。
彼の手には例の袋と、爪が白くなるくらいに握り締めた五十円硬貨。
彼にはひとつの成さねばならない使命があったと想像する。
五十円硬貨を拾った彼は、その善意から交番に拾得物として届けようとする。
交番にいる警官は「君にあげるよ」と言う。
彼は素直に五十円を受け取る。
ある日彼は千円札を拾う。
五十円という単位は手続きが不要であるということを既に知っている彼は、一度両替をして交番めぐりを画策する。
果たして少年の狭量な行動範囲で、二十箇所も回れるだろうか。
くだんの小さな彼は、麹町で降りていった。
彼にとっては最後の仕事だ。
これを終えれば、かつては野口だった紙幣が全て彼のものになるのだ。
例え嘔吐感でいっぱいでも。
いや、やっぱすぐ家に帰れ。
投稿者 yoshimori : December 1, 2005 01:16 AM | トラックバック
そのお子は、
お殿様になるべくして生まれてきたお子じゃ。
そのお子の背中には、はきとはせぬが、
なにやら光が見えまする。
おぉ、そうか!
さすが我が子じゃ!
都一の陰陽師をそう言わしめたか!
これで我が一族も安泰ぞ!
以上、お久しぶりの投稿にも関わらず、
申し訳ございません。
あ、勿論、陰腹済みでございます。
ん? 臭うな・・・。
Posted by: 義盛 : December 1, 2005 10:08 AM