満州、高級タクシー、12時45分。
「昨日、石原を見たよ」
誰? 裕次郎?
「いやいや死んでるし。弟だよ」
ああ、良純か。電気技師。
「それは息子だから。何だ、電気技師って」
でんきをあれこれ。
「関係無いから。天気予報士だし」
うーん、伸晃?
「いや、それは長男。わざと言ってるだろ」
宏高!
「え? 誰?」
三男で議員。
「知らんなー」
えー、延啓?
「知らんていうか、その前に読めん」
四男で画家なんだ。
「へー、じゃなくて都知事の話だよ!」
青島?
「もういい」
ごめんごめん、鈴木だったよね。前屈し過ぎで辞めたひと。
「それ違うから」
いいから早く慎太郎の話してよ。
「・・・(深呼吸)」
都庁に行ったの?
「そう、仕事で」
公園で撮影してなかった?
「何の?」
新宿中央公園ってだいたいAVの撮影やってる。
「だいたいはどうかと思うけど」
メッカですよ。
「まあカメラ持って2人いれば撮れるしね」
ぶっちゃけ、男ひとりでもいいし。
「それは絵的にどうだろう」
世の中にはいろんな癖の人がいるからね。チャイナ服がいいとか。
「それあんたやろ」
いやいやいや、こないだ上司とあやうくチャイナばなしで盛り上がりそうになった。
「チャイナばなし!」
別に中国行った話でもないのにね。