December 09, 2005

表に立ってる人、五千円札の人じゃない?

ハングル童話「フンブとノルブ」

家族が十一人もいるくせに一家を養うという概念が甚だ欠しい弟フンブは、父の死後、遺産を相続した兄ノルブから当然のように家を追われる。
ある日骨折した燕を拾ったフンブは、定職も無く大概は暇なので、家族総出で手当てし完治するまで看護した結果、「逆・つばめと王子」状態かどうかはやや乱暴な表現だが、兎も角、燕は謝礼として嘴に咥えた種を一家に渡す。
一粒の種はやがて芽を吹き、大きく育った実には大方の予想通り金銀パールがざっくり詰まっていて、フンブ、一気に勝ち組に。
その後の兄一家が凋落し弟の世話になるとかそういう類の描写は無い。
もしくは欠落しているのだろうか。

童話として見ると、「狡猾で裕福な兄ノルブ=悪」、「清く貧く美しい弟フンブ=善」というファンタジーが込められているが、現代韓国社会では「父の死後相続権を行使した結果、遺産を合法的に所持し、肉親ですら愚鈍で経済能力が無いと判断し斬り捨てるという経営者的ロジックを持った勝ち組」として扱われているという。

いいひとは勝ち組たり得ない。

投稿者 yoshimori : December 9, 2005 11:59 PM | トラックバック
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