古書街、立喰そば屋、8時27分。
そばを下さい。
「きんぴらー?」
ええ、ごぼうで。
言わずもがな。
今朝は中年女性従業員のテンションが無駄に高い。
「いらっしゃいませ」と言おうとしてるらしいが、「うわいー」にしか聴こえない。
もう、毛穴から未知のエネルギーがほとばしっているようだ。
燃え尽きないことをただただ祈るばかりだ。
毛穴、たしかに未知の物体が詰まってますよ。
いや、ほら、だって僕見た事ありますから。
え、何が入ってたって!?
そりゃ解んないですよ。
だって未知だもん。
けどね、想像は出来ますよ。
聞きたい?
わかった。わかりやすく言うと、立ち食い蕎麦屋あるでしょ!?あそこに置いてある、「お水はセルフサービスで」って機械あるじゃない。そのね、コップで押すスイッチみたいな物辺りにこびりついてる、白い物体ってわかる!?
敢えて言うなら
あんな感じかなぁ…
いやいやいや先生、惜しい! 実に惜しい。
叱責覚悟で意見させて貰いますが、先生の仰る例の白いあれは類似こそすれ、強いて申し上げるならば、カルピス原液とカルピコぐらいの差異は致し方無いと、不躾ながらかように思う次第で御座います。
出過ぎた真似をお許し下さいます様宜しくお願い致します。
え? 斬首? またあー。