和泉佐野、アマチュア看護士、xx時xx分。
郊外の住宅地を歩いている。
ふと渇きを覚え、飲み物を探す。
カルピスの自販機内のラインナップが気に入らずに通り過ぎ、引き返して別の自販機を物色しようとしている。
コカコーラのそれを発見し、小銭を取り出そうとしていると、白いジャケットを来た筋肉質な男が同じ方向を目指していることに気付く。
「僕も冷たくて甘いコーラ買おうっと」
明らかに誰にも伝えようとしてない声で言うのが聴こえ、購入を無言で譲る。
数歩歩けばセブン-イレブン、駐車場を挟んでサンクスが見える。
「サンクスに行ってくる」
白ジャケは自販機に硬貨を入れ、返却レバーには手も触れずに歩き出す。
何故この男はセブン-イレブンに行かないのだろうかと思う。
自分が目指したセブンーイレブンには、飲食品類が一切無く、寝具(主に枕)が所狭しと陳列されている。
隣接する寝具店の入口は、コンビニエンスストアとつながっているようだ。
手に鋏を持った佐賀県民と合流し、広い店内を散策していると、かつての同級生の上半身がベッド上に置いてある。
あれっ? 超久し振りじゃない?
「そうだね」との返答。
何故上半身だけなのかという疑問も思い浮かばないでもなかったが、当然のように放置する。
同級生との思い出話は尽きないが、佐賀県民は所在無さげに手にした鋏で枕を切り刻んでいる。
佐賀っち、そのへんにしとけって。