高輪泉岳寺、突然の介錯人任命、8時41分。
陽の当たる席を避け、中央寄りの四人席に座る。
既に置いてあるメニューには触れもせず、呼び鈴を連射しながらシュガーポットをテーブルの通路側端に設置。
ソルトと記されたキャップを半分ほど開け、ソースに至っては逆さにしておく。
いや、そんなことはしません。
グラスから半分こぼれ出たかのような半端極まりない水が運ばれてくる。
その場で一気に飲み干し、代わりを要求すると同時にオーダーを確認させる。
「以上で宜しかったでしょうか?」
そうね、いつも過去形ね。
「にいちゃん、ビール追加で」
何だ、この店は。
どいつもこいつも朝から中ジョッキを頼んでいる。
明らかに夜の仕事の方は別として、五十代の男が多いことに気付く。
殊更に声が大きく店内に響き、心中穏やかでなくなり読んでいる文庫本が同じくだりをエンドレスリピート。
若輩ながら進言させて頂こう。
葬式費用をマチ金から借りて工面するな!
交通違反で支払った罰金の総額を競うな!
裁判所からの逮捕状を自慢するな!
そんなことやってる仲間を羨ましそうに見るな!
ノーフューチャー。
投稿者 yoshimori : January 11, 2006 11:59 PM | トラックバック