アレフガルド、階段が分かりにくい地下の独房、12時14分。
民営化が決定する以前の公的機関。
待たされている利用者は、車椅子に乗った女性とその夫らしき男性のみ。
妻らしき女性は、西寄りのイントネーションで夫と話している。
怒りを抑えているようにも、感極まっているようにも聴こえるが詳細は分からない。
郵便局での夫婦喧嘩の原因って何だろう。
切手? 小額為替? ゆうパック?
既に発想が貧困だ。
転居届けを申請する。
対応するのは業務に不慣れ気味な女子職員。
転居先の郵便受けにあった前住人名義の葉書の存在を思い出し、どう処理したらよいのか疑問を投げてみる。
「あたしの場合はぁ、不動産屋さんに言ってぇ、来ないようにしてもらったんですけどぉ、郵便局的にはどうなんですかねぇ?」
いや、郵便局員は君だから。
上司を呼びに行く女子職員。
次に対応してくれたのが、右目が義眼というピーター・フォークな男性職員。
「届いた葉書にこの紙を添付してポストに投函して頂ければ結構です」
紙きれには「こちらの住所には、該当の方がおりません。差出人様へ返送してください」とある。
参考資料として最寄の集配郵便局を地図付きで手渡してくれる。
昼時にも関わらず暇だったせいか、至れり尽せりな対応。
とはいえ、閑職の中年男性らがコピー機の故障に群がる習性を持っているのにも似ている。
投稿者 yoshimori : January 13, 2006 11:59 PM | トラックバック