東久留米、チャイナドレスのスリットが腋まであるタクシー運転手、10時15分。
職場で無数に張り巡らされている内一本のパイプが、突如、小動物が駆け抜けたかのように大きく揺れる。
派遣されて五日目のバイトくんは、「イタチですかねえ」とやたらクール。
毎日何処で昼を食べてるの?
「すき家です」
え? 五日間連続で?
「うちの近所、すき家が無いんですよ」
それで物珍しいと。
「そうなんですよ。うお、チーズ載ってるよ、すっげー、まじで? これ葱まみれじゃんって、うっはうはで食べてますね」
安いなー。
青い鳥は実は近くにいました、みたいな。
いや、遠いのか。