旅順、乃木っちあれなんで兒玉ちゃんよろしく、12時12分。
白菜についての文献を読む機会を与えられたとしよう。
いったい誰が昼休み時間に白菜について真剣に学ぼうというのだろうか。
うっかり文庫本を持参しなかった不備を呪いながら、止む無く読んでいると理解して頂きたい。
英語ではチャイニーズ・キャベツと呼ばれるように、原産地は中国。
日本へ伝わったのは意外にも明治、しかも日清・日露戦争時という。
遠征中の兵士が現地で食した、しゃきしゃき感あふれるこの白き野菜の種子を祖国に持ち帰ったことから悲劇は始まる。
いえ、始まりません。
ごめんなさい。
戦争はある意味悲劇ですが、そういう主旨では話せません。
気になるのは文中、
「白菜の入ったおいしい鍋をつつけるのも、その兵隊さんたちのおかげかもしれんのう」
とやや右寄りな発言。
続くサブタイトルは、「浮気性」。
実は白菜、アブラナ科植物として黄色い花を咲かせるのだが、同科であるカブやコマツナとの配合も容易に可能であるという尻軽っぷりで異なる色の花も咲かす。
ただ、カブやコマツナと交わると葉が出荷用に美しく丸まらない為、農家では白菜畑を周囲から孤立させ、群がるアブラナ科どもの花粉から隔離する。
僅か百数十年前に大陸から海を渡り、現在では異物を排して純粋培養で育てられる白菜。
大人の事情ってやつですよ。
投稿者 yoshimori : March 29, 2006 02:01 PM | トラックバック