「疾風のように」
玉砂利の中、うつ伏せに倒れるひとりの男。 傍らで呆然と佇むしかないひとりの少年、穢れない瞳は男を見つめている。
「ぼうず、知ってるか? ザブングルの操縦桿はハンドルなんだ」
姉小路の最期の言葉だった。
(了)