「憎き山内侍」
海岸沿い波打ち際に倒れ、若芽まみれのひとりの男。 朝のビーチコーミングの果てに厭なものを発見した後悔でいっぱいの青年は、熊手片手に男を見下ろす。
「実は俺、本名、長宗我部っていうんだ」
姉小路改め長宗我部、最期の言葉だった。
(了)