May 27, 2006

『実家は桧風呂』

繁華街にあるうら寂れた、中華料理店と呼ぶにははばかられる佇まい。
メニューにカレーが並ぶ時点で、それは中華とは認められないという二十億の声はこの際無視して話を進める。

四十代とおぼしきスーツ姿の男たち、酒が幾分入ってるようで、声を荒げて会話よりも口論寄りな雰囲気。

「お前、リフォームする為に借金したんだろ? 今住んでるマンションどうすんだよ」
「だーかーらー、何度も言ってるじゃないか。マンションを担保にして金を借りたんだよ!」
「おかしいじゃねえか、住んでる家は売れねえだろ!」
「これから住む家と、今住んでるマンションは別なんだよ!」
「ああ? じゃあ何か? 住んでるマンションを売った金で、まだ住んでない一軒家をリフォームすんのかよ! そんな話は聴いたことがねえ!」
「だーかーらー、何度も言うけどな、マンションが売れないとリフォームでの借金は返せないんだよ!」

いやもう、ほんとどうでもいい内容で、しかも喧嘩腰になる必然性が全く無い上に、会話も支離滅裂で、食べてるレバニラの味を忘れる忘れる。

飲みの場でリフォームと借金の話題は避けようと思う。

(了)

投稿者 yoshimori : May 27, 2006 11:59 PM | トラックバック
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