August 12, 2006

『487-14』 (第4回)

脚に続いて腕の感覚が失われているのが分かる。
動かない脚と、感覚の無い腕。
見上げている首すら支え切れず後ろに落ちてしまいそうだ。

「黒いのは何?」
「何って・・・」

「あれ、あの黒いの」
「ああ、あれ、あれはキ・・・」

「キ・・・?」

具合の悪さよりも話を続きを迫る人間には教えない。
そう決めて倦怠感に身を任せた。

(了)

投稿者 yoshimori : August 12, 2006 11:59 PM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?