井川先生の完封を見届けんが為に、尿意とか便意とかに「ハウス!」と言い続けた結果だったと信じている。 地味な試合展開だったが、夜明けのスナックのママの如き枯れ声が象徴するように、打球が飛ぶ度に訪れる無為な高揚と、両腕の前後運動に全てを費やす。
電光掲示板に現れる、広島と中日の離れた点差を眺めては溜息を漏らす男達の嘆きを聴くのだった。
(了)