取り憑かれたかのように歩く。
環状線の四分の一分を南下する。
休憩は一度の水分補給。
過酷で孤独な勝利の栄冠も無い労働にも似た作業。
散れ違う人は皆無で、無機的な車だけが追い抜いてゆく。
目的地が見えてくる。
安堵と共に訪れる疲労。
達成感とは無縁な倦怠感だけが支配する。
拝啓
スリリングな日々を過ごしています。
師走とはいえ、忙しなくなくなくもありません。
「忙しない」が忙しいのか、忙しくないのか分からなくなってきました。
それでは、狂信的なトルコ料理店がクリスマス風イルミネーションで彩られる頃、カラカスでお会い致しましょう。
敬具
(了)