近々、彼氏の実家に「ご挨拶」に行くという女、どうしたものかと赤ワインを飲み干す。
「彼のお母さんとはね、彼の実家で靴持って忍び足してるときにお会いしたことがあるんだ」
まったく泥棒猫ですな。
「そうは言われなかったけど、状況的にはそれに近いね」
問題は父親だね。
「そう、靴持って忍び足してるときに会ったのがお父さんだったら、わりと厳しい気がする」
まあ、その場で正座かな。
「それはそれで分かり合えるかも」
分かり合えるのか!
「その場の勢いで宜しくお願いしますと」
どの面下げてだ。
「あー、緊張するなー」
まあでも、いい話ですよ。
「そうね、ありがとう。でもね、彼氏長男なのにうちに婿養子なの」
この泥棒猫がっ!
(了)
投稿者 yoshimori : April 17, 2007 10:11 PM