格子戸を~潜り抜け~って誰の唄だったっけ、という発言が聴こえ、思わず突っ込みそうになった自分を諌めて沈黙すること数分、隣席の女子と呼ぶには既に微妙な妙齢の女子は、先の疑問は何処吹く風として既に話題は別件に。
意中の男について日々悶々としているという女子と、その旨聴いて何か奮起している女子。
「じゃあさ、今から電話するからね」
「いや、いいって、もうやめてよー」
「あ、・・・もしもしー、あのマエザワの友達でイイノっていうですけどぉー、彼女酔っ払っちゃって動けないみたいなんですよー。なのでー、もしできたらあれなんですけどぉー」
「やめてー」
ていうか、それ来ないだろ。
どういう助け船だ。
(了)