会食という不慣れな場にいる。
山海の料理が一口サイズで運ばれてきては、白い面積が大部分を占める皿が次々と下げられてゆく。
中庭には鹿威しこそなけれど、苔生した石燈籠が蝋燭の光を灯す。
「これ何だろうね」
さあ。
「有名な人なのかな」
さあ、どうだろうね。
「舟じゃないかな」
ふねぇ? いやー、それはどうだろう。
「じゃあ何だよ」
考えたって分からないんだからさ、スタッフに訊けばいじゃん。
「厭だ」
何故?
「絵かもしれないから」
え? 最初に言ってた「舟」って漢字のことだったの?
あなたの想像力に脱帽です。
(了)
投稿者 yoshimori : May 1, 2007 11:14 PM