段ボールが無造作に積まれている室内にいる。
宅配業者の営業所らしき事務所で電話番をしているという設定。
少し離れたデスクに同僚らしき男がいる。
電話が鳴る。
受話器の向こうの女、名乗りもせずに話し出す。
航空会社へ送る荷物の集荷を依頼されるが、時刻は既に19時を回っており、回収は難しい旨を伝えるも、依頼主の女は今すぐ返事を貰いたいという。
確認の上、返電すると告げるも、女、自分の携帯電話の番号を教えたくないらしく、渋っている様子。
そういうのどうでもいいからとりあえずこの電話を切らせてくれと、ここまで出そうになるが、止めておく。
受話器の口を押さえ、同僚に声をかける。
不慣れな仕事内容の為、例の女宛に集荷に向かわせる手配の仕方を訊くが、さっぱり要領を得ない。
女が集荷して欲しいという荷は、「お好み焼き」。
しかも食用ではないという。
気が付けば、時刻は朝5時。
集荷はもう間に合わないと諦めている。
(了)
投稿者 yoshimori : May 13, 2007 11:59 PM