池波正太郎を読んでいる。
甲賀に住まう忍びの一派は戦国負け組、浅井・上杉に加担したばっかりに目に見えて全滅方面まっしぐらなのだが、時代の流れに転進してゆく同門他派の忍びらを激しく憎みつつ、伝統とプライドに雁字搦めとなり、戦さ場で儚く散ってゆくのを止められないばかりか、最終的には織田軍相手に鬼神の如き働きを見せるも、所詮は多勢に無勢、諜報だけが彼らの役割と知る。
主人公くのいちは本能で行動する。
職業的葛藤も無ければ、刺さると痛い暗殺武器も容赦無く使用する。
ぐじぐじ悩む忍者は要らないのだ。
(了)
投稿者 yoshimori : July 9, 2007 11:59 PM