August 03, 2007

『虚言、戯れに言祝いで』

職場の同僚らと大義名分もなく飲みに行くことに。
とりあえず仕事の話だけは避けようと、全力で自称最年少をいじり倒す。

「何で僕が年齢詐称って言われるんですかッ!?」
だって、君の読んでる漫画のどれもが30over世代が小学生の頃に流行ったんだもの。

「古い漫画が好きなんですよ」
あ、古いって言いやがった、小僧が。

「ほらー、小僧じゃないですかー、ほらー」
黙れ、若年寄。ほんとは幾つなんだよ。

「今年で24です」
絶対におかしい、オリンピック3回分くらいサバ読んでる。

「僕、自分の干支言えますよ」
そんなん一回りした同じ干支やろ。君な、36や。

「面倒臭い人だな。じゃあどうしたらいいんですか。あ、免許証ありますよ、ほら」
って何で穴の開いた免許持ち歩いてんのさ。・・・あっ、誰これ!?

「誰って僕の名前ここにあるじゃないですかッ!」
この肌つやと目付きが異常に悪い頬のやつれた男は誰なんだ!?

「あれから太ったんですよ。この時コンタクトでしたし」
いや、人種が違うって。これまずいなー、検問で即連行だな。

「いやほんとに僕ですから。これ、ほら、社員証、ね?」
これは確かに君だが、年齢を証明するものではないな。しかも髪型が不自然でヅラっぽい。

「関係ないじゃないですかッ! もう、どうしたら信じてもらえるんですかッ!?」

この後数時間に渡り実年齢であることを訴え続けるも決定的な証拠は何もなく、疑惑は深まるばかりだ。

男の年齢で盛り上がってよいものだろうかとも思う。

(了)

投稿者 yoshimori : August 3, 2007 11:59 PM
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