個室だらけの居酒屋にいる。
入店当初、はきはきとした女子従業員の接客態度に好感を抱いていた我々だったが、時間の経過と共に呼び出しベルをいくら鳴らしてもひとりとして店員はやって来ず、やっと来た件の女子に2本目の焼酎ボトルのオーダーを告げた辺りから蜜月期はとうに過ぎたと知り、残念な結果に涙を禁じ得ない。
以下は残念な結果までの経過。
「大変お待たせ致しました、お客様、ご注文を承ります」
えーと、これもう一本。さつま司。
「はい、かしこまりました、何とかつかさですね。すぐにお持ち致します」
ん?
かなりの時間が経過し、呼び鈴を押し続ける指が乱雑に連打し始めた頃、別の男子店員がやってくる。
「お客様、大変お待たせ致しました」
これさ、壊れてんの?
「いえ、鳴ってます。申し訳ございません、このフロアに人がいないんです」
ひとりも? さっき女の人いたじゃん。
「ええ、まあ、申し訳ございません。で、あの、先ほどご注文のボトルは何でしたでしょうか?」
ってあの女! 言えてないどころか、伝わってもねえ!
思うところあり、「やってられっか!」と前掛けを叩き付けて帰ったのかしら。
(了)
投稿者 yoshimori : August 7, 2007 11:59 PM