ひさびさに地元民と会う。
ひとり目:
かつてニューヨークでデザイン学校卒業後、デザイナーとして働いていたが、何故か帰国後はコンビニ、フラワーショップ、病院事務と職を替えているという同級生(♀)。
「実は職場で言い寄られてて」
お、ドクターから? 何科かしら。
「いや、患者」
患者かー。何してるひと?
「バスの運転手」
むー。バスかー。
「しかも、太ってる」
あー、残念だー。全然脈なし?
「バスの運転手なのはいいけど、太ってるのがちょっと。あと、多分だけど家が金持ち」
金持ち駄目っすかー。
「世間知らずなのが許せない」
ボンボン駄目っすかー。
ふたり目:
地元以外に定住の地を持たず、弟夫婦と生活を共にしながら、三重の妻子持ちと名古屋で密会を重ねているという同級生(♀)。
「来週会うの」
またそんな不毛なことを。
「手つなぐの」
いやいや、いうても世間的には不倫だから。
「だって、今更普通の恋愛はできない」
33だから?
「まだ32だってば。まあでも、それもあるかもね」
名古屋まで遠いじゃん。
「たまに会うからいいのかも」
それでいいのか。
「あと、あたし病気持ちだし。あははー」
全然笑えませんよ、それ。
まあ、元気出してくださいよ。
って元気出したところで不倫は解決しないのか。
4時間も同じ店で飲んだくれてやさぐれて帰宅。
妙齢女子の語り口は笑いながら話すわりには重い。
(了)
投稿者 yoshimori : August 14, 2007 11:59 PM