20時を少し回っている。
たどり着いた先は、蔦の絡まる煉瓦造りの外装。
「ボナセーラ!」と迎えてくれ、やたらと横に長い椅子に案内される。
バーカウンター前の為、団体客へ運ばれるおびただしい数の酒を眺め続けることに。
「お飲み物は如何致しましょう?」
えーと、これを。
「マアジ・モデッロ・デッレ・ヴェネツェ・ブランですね」
それで。
「かしこまりました。マアジ・モデッロ・デッレ・ヴェネツェ・ブラン、ペルファボーレ!」
はい、ぺるふぁぼーれ。
ペルファボーレペルファボーレと叫ぶ従業員、ラストオーダーを告げにやってくる。
「お食事のご注文が最後と相成りましたが、何か御座いますか?」
いえ、ございません。
実はこの店でチヂミと腸詰を食べたことを伝えると同時に、山手線で帰ります。
(了)
※一部表現にやや誇張がありますが、大体こんな感じで宜しくお願い致します。