新宿区内にある、繁華街と呼ぶにはやや遠慮したい飲食店通りを歩きながら、リリー・フランキー先生の描くところのくちびる厚めキャラを思い出している。
おでんが食べたい。
何処を探しても店名の記載が一切認められないのは歌舞伎町界隈ではよくあること
(ここは歌舞伎町ではありませんが)
「50円より」とはいえ、50円相当の品は存在しない
路上にてげっ歯類を散歩中のげっ歯類使いの方と遭遇。
襟巻き状に首に巻かれているのが兄、
ショルダーバッグにまるごと収められているのは脱走癖のある弟との説明。
彼らの本日の獲物は、呼び込みにいさんの右手人差し指という。
そうかー、君らの口回りが赤いのはにいさんのあれかー。
おでん熱がクライマックスである旨を伝え、げっ歯類兄弟を同行可能かどうかの判断を仰ぐ為、まず階下へと降り店主に見せてみる。
これ同伴で入れますかね?
無言で首を横に振る大将。
そらそやな。
あっさりと諦め、げっ歯類兄弟、げっ歯類使いと涙の解散。
とはいえ、背に腹は代えられず、自らの欲望を満たすべく単身で再び地下へと下るのだった。
(了)
投稿者 yoshimori : October 17, 2007 11:59 PM