職場の湯沸室からは六本木ヒルズがよく見える。
角度を変え、晴天に恵まれてさえいれば、富士山さえも眺められるという。
山手通りと駒沢通りの交差点脇でタクシーを拾おうと、路上を徘徊している男が見える。
男、左折専用レーンに入り込んでいる為、左折車が迫る度に歩道側へ戻ったり路上へ出たりして、わりと迷惑な歩行者的存在となっている。
すべからく走行するタクシーは乗車済のようで、無駄に右手を挙げては下ろしたりして、体力を消耗させている様子。
何となく眺めていると、彼がタクシーに乗るまで目が離せなくなり、タカシという名さえ与え、軽くエールを贈ってみたりしていることに気付く。
子を持つ親の気持ちかしら。(全然違うぞ)
(了)
投稿者 yoshimori : December 19, 2007 09:01 PM