社食にあるカルビクッパを頼む。
カウンターに置いてあるヤンニョムジャン(薬念醤)の入った器には、
「辛い!」と大書きされ、列の前に並んでいたつわものどもがぞんざいにスプーンを扱うが為、赤い香辛料は滴りまくりで、以前中野駅前で見た「AB型が不足しています」の朱墨書きがたいへんおどろおどろしく、「不足」あたりなんて血のように看板を染めていたのを思い出す。
上澄みだけでは生ぬるいと、底部をさらうこと3杯分。
想像以上に器の中が赤くなる。
真っ赤な器を見た同僚らからは、「はげる」、「ばかになる」、「したがすでにばか」等との心無い中傷を受けたのが不条理極まりないので、同僚らの白いYシャツに向け、器からすくったスプーンで赤い汁を機械的に飛ばし、発言の不用意さを戒める。
ていうか、全然辛くねえ。
はげちゃいないが、したがすでにばかなのかもしれないと、赤いワンポイントの付いたシャツの連中に告げるのだった。
(了)
投稿者 yoshimori : December 27, 2007 11:59 PM