「で、鳩がですね」
うわ、びっくりした。まだ鳩の話してやがる。
「鳩がですよ」
分かったってば。何だよ。
「乗ってるんですよ」
何にだ。
「エレベータに」
それ、閉じ込められてんじゃんか。
「でも、誰かが押さないと扉は開かないでしょ。入ったら気付くはずだし」
んー、そりゃそうだな。くちばしで押したんじゃない?
「無理ですよ。しかもですよ、ふつうに外にいるみたいに歩いてたらしいんですよ」
ふーん、ってこの話は何が面白いの?
「実際、エレベータに乗ろうとして鳩がそこにいたら、かなり驚きますよ。同僚のひとりはその日を境に来なくなりましたからね」
それは関係無い。
(了)
投稿者 yoshimori : April 24, 2008 11:59 PM