辛い系でも喰らおうと、新大久保へ。
山手線からホームに降り立っただけで、何かしらの料理の放つ匂いが分かる約束の地。
通い慣れた「改装の為、三ヶ月休業」という韓国料理店、未だ改装中らしく扉は開かれているが、営業中ではない様子。
二月からずっと改装中のまま、もう六月だってば。
別の店へ移動。
とりあえず生、とメニューを指差しながらセンマイ刺しを頼む。
若い従業員、「お待たせ致しましたー」とセンマイ刺しを置きながら、
「これ、日本語で何と言いますか?」なんて質問している。
これ? これは、センマイ。
「センマイ?」
韓国語で何だっけ、チョニョプ?
「천엽」
そうそう、チョニョプ。
「韓国ではそんなのあまり食べません。生はあまり食べません」
生、食べないの? じゃあユッケは?
「牛の、えー、肉食べますけど、えーと、中身あまり食べません」
えー? レバ刺しぐらいは食べるでしょうよ。
「レバ?」
えーと、カン。
「간ですか。カンもあまり食べません」
君が内臓好きじゃないんじゃん?
「そんなことないです」
酒飲まないと、こういうのは食べないだろうからねぇ。君は幾つなの?
「いくつ? 歳ですか、22歳です、韓国だと24」
若っ。日本に来てどれぐらい?
「三ヶ月です」
えー? 向こうで日本語習ってた?
「いいえ、日本に来てからです」
何だ、この流暢さは。
普通に会話が成立してるし。
しかし、よう喋るな。
物怖じしなさはさることながら、自分が好まない品を客にすら提示する図々しさが語学の必須条件と改めて知る。
(了)
投稿者 yoshimori : June 13, 2008 11:59 PM