えー、怪談噺『眞景 累ヶ淵』、愈々最終回で御座います。
「浄善ヶ淵 “お久殺し”」
「土手の甚蔵」
「お累の婚礼」
実は上記三話分は所持してなくて、未だ拝聴せずってなもんでしてねぇ、まあ演目名通りの因縁めいた展開とご理解頂ければ幸いで御座います。
ざっくりと流れを追いますってぇと、新吉は久を鎌で殺害し、甚蔵と兄弟の杯を交わし、三蔵の姪、累(るい)と悪縁ながら所帯を持ちますな。
「勘蔵の最期」
新吉、羽生村に暮らす三蔵の姪、累(るい)と所帯を持ちましてねぇ、病に臥せる叔父の勘蔵を訪ねるってぇと、江戸へ向かいますな。
死に際の勘蔵より『小石川小日向服部坂 深見新左衛門次男 新吉』なんてぇ記された真鍮の迷子札を受け取りましてねぇ、実は武家の出自であること、十離れた兄がいるなんてぇ告げられますな。
「迷いの駕籠」
勘蔵の死を看取り羽生村へと戻る道中、駕籠を拾うんですがねぇ、この駕籠舁きがぼんくら過ぎて、さっぱり目的地に向かわないんですな。
因縁は巡ってくるってなもんで、宿を目指して千住へ向かう途中、小塚原(こづかっぱら)にて牢破りたての兄、新五郎と出会うんですな。
新吉の身上を聴いた新五郎、累の叔父の三蔵が自分の仇だと知るってぇと、そこは因果、新吉に義父三蔵を殺せなんてぇ命令するんですな。
続きはってぇと、ファイルが破損しやがってましてねぇ、十数年振りに再会したはずの兄弟同士があわや殺し合いに発展するかってぇ場面にて、
「おのれぇぇぇぇっっっ!」
なんてぇ極悪な調子で叫んでる途中でブツッて切れてしまいますな。
実は後で知ったんですがねぇ、新五郎、とっくに処刑されていて、新吉は幽霊と取っ組み合いしてたんですな。
しかも、新吉の素行の悪さに辟易した累は、久を殺害した鎌で自害して果ててるってぇ、もう昼ドラみてぇな不幸の連鎖が続くんですな。
「惣右衛門殺し」
「湯灌場」
くらいまっくす直前ですがねぇ、やはり持ってねぇてんで、ざっくりと流れを。
名主の惣右衛門宅に出入りするうちに、深い仲となった妾の賎(しづ)より惣右衛門殺しを持ち掛けられる新吉、誘いに乗って惣右衛門を絞殺するんですな。
「聖天山」
惣右衛門を絞め殺すってぇと、湯灌場で惣右衛門の遺骸を見た甚蔵に首を絞めた痕を看破されますな。
口止め料として聖天山に埋めた二百両を渡すってんで、甚蔵をおびき出すってぇと、崖から突き落とすんですがねぇ、なかなか死ねねぇってんで這い上がってきた甚蔵、新吉と掴み合いになるってぇと、種子島の短筒を構えた賎に胸を撃ち抜かれて甚蔵は絶命しますな。
実は賎、新吉の父新左衛門が妾である熊の娘、新吉とは異母兄妹と知り、畜生道に堕ちたかと賎を鎌で斬り棄て、自害する新吉。
親の因果が子に報い、長い長い怪談噺、『眞景 累ヶ淵 (しんけい・かさねがふち)』の一席で御座いました。
(了)
投稿者 yoshimori : June 22, 2008 11:59 PM