天井まで続く窓から見える中庭を埋める緑は目に優しいに違いないが、陽射しが直接差し込む上に、空調の存在すら疑いたくなる社食にて、混雑の為、当然人気の無い窓際に座す。
「レンゲでしたよ」
何が?
「カルビクッパに入れる赤い辛いのの」
赤い辛いののだぁ? そんな日本語はねぇってんだ。
「いつも小さいスプーンじゃないですか、何度も往復するのが鬱陶しい感じの」
君さ、話す順番がいつもおかしいんだってば。
「赤い辛いののあれがレンゲでした」
分かったから。君さ、いつもスプーンで10往復だったから、一回で済むだろ?
「2杯いきました」
ばか? はげるよ。
「はげませんよー。あれ? そっちのは色が薄いですねぇ」
君の血みたいな色じゃんか。あ、しかも、山菜よけてやがるし。こどもだ。
「もう手続きが多くて。これ、時間掛かるんですよねー」
だから喰えって。
「嫌ですよ。さあ、いただきまーす・・・」
入れ過ぎなんだってば。ばかの上に超かっこ悪い。
「あ、う、む、んー、・・・これ、取り替えてもらえますかね?」
自由だなー。
(了)
投稿者 yoshimori : July 2, 2008 09:37 PM