宵闇が迫るってぇと、般若湯でもってんで、性懲りも無く向かう内藤新宿、寄席なんてぇ寄っちゃあいませんがねぇ、何となく足が向かうってなもんですな。
デテケデテケと鼓が鳴らぁな
二階席あります
いちげんなんてぇ微妙な立場で寄せて頂く貝専門店、階上の座敷にあないされますな。
麦酒は既に頂いておりますってぇと、米の酒をと銘柄は失念しちまいやしたがねぇ、四合ばかし頼みますな。
左から本ミル貝、トリ貝、青柳
蛤の昆布焼き
暖簾を仕舞う間際になるってぇと、階段をとんとんとんとんと駆け上がってきた女将が唐突にも至近距離に座り込むってぇと、「殿」なんて呼び掛けられましてねぇ、はい?なんて返事するってぇと、「貝御飯が一膳だけ残ってますよ」と返すじゃあありませんか。
するってぇと、続く言葉が「百円引きでどお?」なんてぇ、残務処理的営業なんですな。
貝入り一膳飯かッ喰らうってぇと、次なる暖簾へ向かいますな。
(了)
投稿者 yoshimori : July 4, 2008 11:59 PM