二日目、皇居の目前、最高裁判所隣、三宅坂におわしますってぇ国立劇場での独演会で御座います。
左は東京FM(たぶん)
『志の輔らくご ひとり大劇場』
大劇場、回り舞台
志の輔一席目■生まれ変わり
生まれ変わりチャートに三つのチェックしか入れられないんですがねぇ、担当者が冷やし中華目当てに席を外したってんで訂正かなわず、
「じっとしている仕事」、「酒が好き」、「おしゃべり」、
これらが適用されるってぇと、
「1954年2月15日、富山県新湊市生まれ、本名、竹内 照雄(たけうち てるお)、芸名、立川 志の輔」
となって生まれ変わるんですな。
志の輔二席目■三方一両損
膳部を囲みつつ、奉行、大岡越前守忠相(ただすけ)を前にするてぇと、
「多か(大岡)喰わねぇ」
「たった一膳(越前)」
とサゲるはずが、奉行より「何が面白いのだ」と返されるんですな。
緞帳が下りてお仲入りで御座います
志の輔三席目■中村仲蔵
四代目市川 団十郎より名題に引き立てられる前の仲蔵エピソードに挿話される「鎌髭」。
粗く筋を述べるってぇと、鍛冶屋四郎兵衛、実は源氏方、三保 谷四郎(みほのやしろう)が六十六部(廻国修行者)快哲(かいてつ)、実は平 将門が遺児、景清の首を狩ろうってんで、髭剃りと称して鎌を首に当てるんですがねぇ、景清は不死身ってんでさっぱり切れないんですな。
で、「何で切れねぇ」ってぇ谷四郎役である仲蔵の顔が客に受けてるってぇはなしでしたな。
「仮名手本忠臣蔵 五段目」、家老の倅というポジションでありながら、舞台上での形で不遇だったという斧 定九郎を期せずしてスターダムにしてしまったってぇ、栄屋仲蔵の尽力と、パトロンでもある成田屋団十郎の賭けにも似た想いが、この実録談を彩るんですな。
七十分もある芝居噺を歌舞伎専用の大劇場なんてぇ箱で、花道に灯りを点し、鳴り物入りで演るってぇスタンスに、吐く気焔を感じましたな。
三宅坂を後にして、麹町辺りで四川料理なんてぇ突付きましょうかねぇ。
(了)
投稿者 yoshimori : August 16, 2008 11:59 PM