出向先にて、上長より「お話があります」と喫茶室に連れてゆかれる。
なななななんでしょうか、うちには八十になる老いたははははは母親と、十をかしらに四人のここここここ子どもがおりまして、あたしがいないと釜の蓋があかあか開かないことになっておりまして、後生ですからごごごご後生ですから、ご慈悲にお情けにすがすがすがりたく存じ・・・。
「いや、そういう話じゃないです」
実は今期(九月三十日まで)で中目黒を撤退という。
「半年前から決まってたんですけどね、私の方から伝えるのはどうかと思いまして黙ってましたが、事務所からは何も聞いてないですか?」
ふるふるふると首を横に振るしかない。
「まあそういうことなんで、いずれ正式に通達があると思いますが」
寝耳に水なんですが。
「よく拭いといてください、放っとくとあれですから」
よく分からない慰められ方をされ、解散。
中目黒から撤退は仕方ないとしても、次の出向先が遠方でないことを祈りたい。
(了)
投稿者 yoshimori : August 18, 2008 11:59 PM