都営三田線なんてぇ地下を走る青ィ陸蒸気に乗りましてねぇ、三田で降りますってぇと、仏教伝道センターなんてぇ一見誰にでも貸すなんてぇ多目的にゃァ聞こえない箱があるんですな。
『ビクター落語会~蓄音器の犬~第二十三回夜席』
普段は大僧正的なポジションの方が説教とかされてるンでしょうなァ。
開口一番■柳亭 市朗 「寿限無」
何やら寿限無の云い立てィ間違ェてる様子でしたがねぇ、昼の部トリだったってェ市馬師匠がその場に居たら怒られるンでしょうかねぇ。
真打■桃月庵 白酒 「松曳き」
マクラ、小池 百合子を評して「性質(たち)の悪い女郎」なんてぇ仰ってましたなァ。
詳細は省きますがねぇ、白酒師匠は矢張りスラップスティックな展開が素晴らしいンですな
真打■五街道 雲助 「藁人形」
「風邪を引きましてねぇ、鼻声なンでご容赦を願っておきます」
なんてぇ断りを入れてましたねぇ。
当演目にゃァ、芝居調で回想するくだりがあるんですがねぇ、鼻声とは感じさせねェ乗り乗りな高座でしたなァ。
ここでお仲入りで御座います。
真打■五街道 雲助 「よかちょろ」
我々の方では、「よかちょろ=野球拳」なんてぇ云いまして、かつて黒門町と呼ばれた八代目桂 文楽師匠の十八番でしてねぇ、音源でしか存じ上げなかったある意味廓(くるわ)噺である当演目を、「仏教伝道」なんてぇ硬ェ名の箱にて、しかも雲助師匠の振り付きで見られるたァ、思いも寄りませんでしたァ。
トリ■桃月庵 白酒 「山崎屋」
雲助師匠の噺を弟子の白酒が引き取るってぇのも、弟子にしてみりゃァ遣り難いに違ェねェンでしょうがねぇ、愉しい親子リレーで御座いやした。
「六部で天狗だな」
「イイェ、三分で新造となりンした」
場所柄、涅槃な心持ちってんで、般若湯なんてぇ求めてイごきましょうかねぇ。
(了)
投稿者 yoshimori : September 20, 2008 11:59 PM