October 16, 2008

◆『築地六丁目、銀座四丁目、白山三丁目、上目黒二丁目』

いい日和ですなァ、秋晴れッてんでしょうかねぇ。
高座に呼ばれたってぇわけはねぇンですがねぇ、大川沿いに参りやして、築地も近ェってんで、序でに寄せてもらいましたなァ。

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本願寺築地別院(築地本願寺)

あれから銀座線、丸の内線茗荷谷にゆきますってぇと、伊太利亜ンなんてぇ頂きましてねぇ、丸の内線、副都心線、東横線と乗り継ぎますってぇと、中目黒に向かいやす。

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地域の人々だけで運営する寄席が三十年も続くってぇのは、稀だそうですな

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『中目黒寄席 三十周年記念公演』で御座います

前座■瀧川 鯉八 「犬の目」

最近の前座さんはいいもン喰ってるのか、ストレスからの過食なのか、正座するその太腿が大変肉厚なんですな。
前座ならではの緊張感親心に転換仕掛けて困りやす。

根多はってぇと、先代林家 三平師匠と同じ構成でしたなァ。

二ツ目■三笑亭 夢吉 「くしゃみ講釈」

「あたし、越後は新潟、新発田の出身なんですがねぇ、先日里帰り致しまして、鼻紙をくずかごに放ろうと探したらですね、去年まであったはずのくずかごがそこに無いんですね。貼り紙がありまして読んでみますと、『テロ対策の為、撤去しました』なんて、西新発田駅がですよ、思い上がりも甚だしィってもンですよ」

額の汗も拭わずの熱演でしたなァ。

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真打■瀧川 鯉昇 「蒟蒻問答」

「先日、立川 志の輔さんの故郷、富山県新湊市に行きましてねぇ、ここは海が近いんですが、オムライスが大変美味しい土地の方が勧めますので、まずは朝食で頂きまして、昼は魚でも土地の人に伺いましたら、ここはオムライスで有名だと、はァそうですかと頂きまして、夜には刺身で一杯飲ろうかと土地の方に訊きましたら、オムライスが旨い店があると連れられまして、結局三食オムライスでした、富山に行ったはずなンですがねぇ」

鯉昇師匠、中目黒寄席の第一回からの出演者でしてねぇ、三十年前は髪もふさふさとした前座での高座だったと云いますな。

お仲入りで御座います。

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くいつき■柳家 喜多八 「愛宕山」

喜多八師匠、この後、鯉昇師匠と扇遊師匠に連れてゆかれるますってぇ、「反省の無い反省会」に怯えてましたねぇ、好きなンでしょうが

旦那を始め、芸者衆、一八、繁蔵らが茶店に到着したシーンから始まります。
ってぇこたァ、山登りにおける一八の謡が無いンで、大変残念なンですな。

くすぐりも含め、骨子は故・古今亭 志ん朝師匠の演る「愛宕山」でしたなァ。

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トリ■入船亭 扇遊 「妾馬」

前回も聴いた「北ノ湖と同い歳」ってぇのは扇遊師匠の定番マクラなンでしょうな。

殿様のお世取りを産んだ妹つるに対して、兄の情を剥き出しにする八五郎を見ますってぇと、前時代的な内容とは云え、改めてよく出来た人情噺なんだと感心しますなァ。

帰りにご挨拶に立たれた鯉昇師匠より、芳名帳にご記帳頂きまして、前座名の漢字を尋ねたところ、「春風亭 柳若(りゅうじゃく)」と書いた序でに、二ツ目名、愛橋(あいきょう)までご丁寧に筆で記して頂きました。

師匠、いつまでもお元気で、って七十代くらいに見える師匠、実はまだ五十代だったンですな。

(了)

投稿者 yoshimori : October 16, 2008 11:59 PM
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