麻布なんてぇ地名が店名に付くなんてぇ豚骨らーめんの店、客のひとりもいねぇってんで、流行ってねぇなァと気も無ェ感じで暖簾をくぐりましたらねぇ、店員が全員中国人だったンですなァ。
『ビクター落語会~蓄音器の犬~ 第二十四回 -夜席-』で御座います。
開口一番■柳家 小ぞう 「道具屋」
柳家さん喬師匠の九番弟子と云いますな。
「抜けるもンはねぇのかィ」
「お雛様の首が抜けます」
真打■橘家 圓太郎 「鶴」
番組での演目名は「お楽しみ」とされてましたがねぇ、よも前座噺とは思いませンですたなァ。
マクラ、「ノーベル賞受賞の日本人と同じDNAだから噺家も何とかなる」ってどんだけ楽観主義ですかィ。
「鶴ってぇ鳥は、一度つがいになるってぇと生涯添い遂げるそうですな。
・・・金髪の噺家に聞かせてやりてぇな」
「どうやって飛んできたンでィ」
「黙ァって飛んできた」
真打■古今亭 菊之丞 「妾馬」
菊之丞、袴姿で登場で、奉行の裁きか侍登場なんですな。
マクラ、「咄家に薬物乱用はありませんよ、無くても幻覚見てる方ばっかりですからね」
八五郎が大家の家に土足(ていうか裸足)で上がり込んだと知り、
「婆さん天を仰いで泣くんじゃない」
なんてぇ女房を慰めるくだりは師匠のオリジナルですかねぇ。
「八五郎出世します、妾馬という目出度い一席で御座います」
お仲入りで御座います。
くいつき■柳家 権太楼 「悋気の独楽」
マクラ、「体調悪く、声が出ませんので予め断わっておきます」
なんてぇ仰ってましたがねぇ、小僧演技が憎いほどはっちゃけてましたなァ。
「肝心の心棒が狂ってます」
トリ■橘家 圓太郎 「甲府ぃ」
マクラ、「セブンイレブンにいる毛むくじゃら店員がおりまして、客の手をこう包み込んで釣り銭渡すンですがねぇ、相手は男限定なんですな。女性には片手でちゃりん、なんて」
「甲府ぃ~お参り~願ほどき~」
市ヶ谷で日本家屋を買い取り、オーナーのご母堂の実家がぶっ壊された際に出た材木で内装をやっつけたなんてぇ、粋な酒と肴の店があるってんで、足を運びますかねぇ。
(了)
投稿者 yoshimori : October 25, 2008 11:59 PM