November 01, 2008

◆『胚芽、焦がし葱、豆乳』 (工期満了)

渋谷より田園都市線に乗りましてねぇ、ちょいと揺られてますってぇと、降りた三軒茶屋人参塔なんてぇ名の付く建屋に向かいましてねぇ、幟を頼りに木戸を目指しますな。

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此処は別会場

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『爆笑寄席てやん亭2008スペシャル 柳亭市馬二番勝負 Bプロ』で御座います

開口一番■柳亭 市也 「道具屋」
席亭の言に寄りますってぇと、船橋出身の市也兄さん、「森繁通りよりちょいと右に入った辺り」にご実家があるなんてぇ云いますな。

「値(音)は?」
「ずどーん」

真打■柳家 喬太郎 「時そば」
喬太郎師匠、はッきりと「弟子は取らない」なんてぇ仰いましたな。
「市馬兄さんが四番目を探してます、市也が辞めれば」

祖師ヶ谷大蔵生まれなんてぇ、自らのプロフィールを語りましてねぇ、徐々にマクラへと入ってゆきます。

「コロッケそばに始まるジャンクな立ち喰いそば」について二十分も語り、
「そばつゆの中でぐずぐずにされるコロッケ」
を全身で形態模写しながら羽織を脱ぐなんてぇ、斬新過ぎるにも程があるンですなァ。

途中で帯が解け始め、難儀しておりましたな。

和妻(日本奇術)■京子
花魁姿の姐さんが、多少少々タネが見えてしまい客にバレてる箱マジックを無言で続けましてねぇ、蛇ノ目や提灯なんてぇ和物を袂から出すのが「和妻」ってんですかねぇ。

真打■柳亭 市馬 「富久」
市馬師匠、汗だくになっての熱演でしたな、単に照明が強いだけかもしれやせンが。
市馬師匠も帯解けの様子でしたねぇ。

「芸の本筋と引き出しと・・・」なんてぇテーマってんで噺と唄の二部構成となんですな。
続きまして、歌合戦と相成ります。

唄■柳家 喬太郎 「東京ホテトル音頭」
錦糸町に始まり、上野、小岩と続きましてねぇ、このタイトルでCDまで出てるッてんですから驚きです。

唄■柳亭 市馬 「雪の渡り鳥~鯉名の銀平」
市馬師匠、カラオケパセラのVIP会員らしいンですがねぇ、喬太郎師匠ですら数年掛かったところを、市馬師匠は僅か数ヶ月でゲットしたってぇ、異例のVIP会員ってぇ云いますな。

「お客様、当店のご利用は初めてでらっしゃいますか?」
「こちとら、昨日今日の客じゃァねぇんだ!」

唄■柳家 喬太郎 「東京イメクラ音頭」
「今までのイメージを払拭する意味を込めて唄います。聴いてください、東京イメクラ音頭」

唄■柳亭 市馬 「無法松の一生」
師匠、高座に上がる時よりも顔が生き生きと輝いてますなァ
何時間でもイケるなんてぇ、顔に書いてありますねぇ。

唄■柳家 喬太郎 「大江戸ホテトル小唄」
此の曲の前にひとつの家族連れが帰りましてねぇ。
「しまったァ、こども居たンだァ」
なんてぇ、素なのか作ってるのか、嘆いてましたなァ。

トリ■柳亭 市馬 「俵星玄蕃」
「既に持ち歌ですッ」なんてぇ断言してましてねぇ、矢張り高座では見せない所作と聞かれない音量で大変心持ちが良さそうに唄うンですな。

曲の地味なイメージとは裏腹に、アップテンポな変調が愉しい唄でしたなァ。

追い出しってんで外へ向かう道中、市馬師匠にひとつ尋ねてみますってぇと、
「コマ劇がなくなるなんて残念。一度はあのステージに立ちたかった」
なんてぇ仰ってましたなァ。

これからでも突付きましょうってんで、別の街へと移動しやしょうかねぇ。

(了)

投稿者 yoshimori : November 1, 2008 11:59 PM
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