『ビクター落語会 ~蓄音器の犬~ 大感謝祭2008 昼席』
@虎ノ門ニッショーホール(日本消防会館)
開口一番■柳家 小ぞう 「金明竹」
さん喬師匠の九番弟子と云いますな。
真打■古今亭 菊之丞 「元犬」
「誰とは云いませんが、自分ちの犬に師匠の名なんて付けて、こう云う事を聞かないってぇと、『来いッ、圓菊(菊之丞の師匠の名)ッ』なんて引っ張って、ワワワワワンッ(圓菊師匠の振りの真似をする)と。・・・えー、内緒で御座いますよ」
真打■柳亭 市馬 「松曳き」
「人間国宝だった小さん師匠ですが、其の年に活躍した人々が呼ばれる皇居での園遊会で先代陛下より『最近落語はどうですか』なんてお声を掛けられましてねぇ、勿論、小さん師匠は返事なんて用意してませんから、取り乱しちゃったンでしょうねぇ、『だ、だいぶよくなりました』って答えてましたね。・・・よくなりましたってねぇ、病人じゃァないンですから」
真打■春風亭 正朝 はてなの茶碗」
正朝師匠、自ら「プロとしてあるまじき体調管理の不備」なんてぇ仰ってましてねぇ、風邪声だったンですが、目撃者の情報によりますってぇと、自前のシルヴァーカラーのメルセデスに寄り掛かり、携帯電話に向かい大声で話してたなんてぇ云いますな。
幾ら調子やってても、そりゃァ印象悪ィですよ、師匠。
また、『東京かわら版』の社長がたいそう佳ィ女らしくてですねぇ、インタビューの際、師匠の社長に対する振る舞いがたいそうあれだったなんてぇ話も聞こえましてねぇ、ある意味、芸人らしいと云えばらしいンですなァ。
お仲入りで御座います
真打■柳家 喜多八 「盃の殿様」
年の暮れだってぇのに、「夏の疲れがまだ抜けない」なんて仰いますな。
大変珍しい演目なんてんで、勉強させて頂きました。
肥後熊本から江戸吉原までの言い立てが凄いンですなァ。
「明治初年まで探していたそうです」
トリ■柳家さん喬 「芝浜」
まくら、「ワインは面倒」と仰います。
此の流儀になった以上、客も其れを求めてしまい、もう泣かすしかないンでしょうなァ。
続きまして、第二部で御座います。
虎ノ門より銀座線、赤坂見附にて丸の内線に乗換えまして、目指すは四ッ谷。
まだ時間もあるってんで、ちょいと餃子の店でつないで、次の高座に出掛けます。
『荒木町ぎやまん寄席(第十四回)』で御座います
即席高座
菊之丞師匠、開演五分前に到着致しまして、幕一枚だけで隔てた控え室にて高座着に着替えるンですな。
真打■古今亭 菊之丞 「片棒」
「昼間、ニッショーホールでの高座だったンですが、さん喬師匠の噺が長くて、主催者側がやきもきしてらっしゃいましたねぇ」
音曲■江戸賀あい子
「梅は咲いたか」
「長崎浜節」
「から傘」
本業はロックミュージシャンというあい子姐さん、菊之丞師匠とは六年前、二ツ目時代に高円寺の居酒屋で知り合ったなんてぇ仰いますな。
真打■古今亭 菊之丞 「幾代餅」
先程のあい子姐さんの演奏を評して、「江戸文化を研究している留学生みたい」と仰いましてねぇ、まあ、何を云ってもいい間柄なんでしょうなァ。
「古今亭 志ん生の名跡は上野鈴本演芸場の社長が決定権を持つ」なんてぇ仰いますな。
楽屋雀の協会代表なんてぇ云いますと、春風亭 勢朝師匠なんてぇ云いますな。
「誰が六代目志ん生を継ぐンでしょうねぇ」なんてぇ仰る菊之丞師匠に答えまして、
「本命、志ん輔(故・志ん朝の弟子)師匠! 対抗馬、雲助(故・馬生の弟子)! 大穴、・・・菊之丞!」
なんてんで、無責任だからこそ楽屋雀なんでしょうなァ。
終演後に師匠との懇親会があるンですがねぇ、小生まだまだ若輩ってんで、卒爾ながら此の場はお暇させて頂きます。
(了)
投稿者 yoshimori : December 20, 2008 11:59 PM