December 29, 2008

◆『講釈師ガ幇間ニ為ル日』

当日券目当てでまっつぐと並ぶ下々を横目で眺め、既に前売券を手にしてるあたしゃってぇと悠々自適に開場時刻まで般若湯なんて飲ってましてねぇ、平成二十年最後の寄席、新宿末廣亭で御座います。

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『特別興行 夜 さん喬・権太樓二人会』

開口一番■柳家 小ぞう 「初天神」
団子屋台にて蜜の付いた団子を舐め切って真っ白にするくだりまで。

二ツ目■柳家ほたる 「動物園」
ホワイトライオン対ブラックタイガー。

二ツ目■柳家 喬の字 「蝦蟇の油」
「何方か血止めの薬はは御座らぬかッ!?」

太神楽■翁家 小花・和助
小花師によって仕組まれた芸種の書かれたカード引きにて、一発目が難易度クライマックスの「土瓶」
「皿回し」の段にて棒を客席に飛ばしてしまい、続く包丁を用いた芸では、客より「飛ばすなよ」との声を貰いまして、和助師、「止めます」と包丁を降ろしますが、予定通りに完遂。
最後は「ナイフ投げ」

真打■柳家 権太楼 「火炎太鼓」
「さん喬さんと比べると、楽してると思われるンでここは根多を替えます」
なんて仰いましてねぇ、緘口令を出してまで事前発表の根多を知らずに居たンですがねぇ、師匠は全部喋っちゃいましたなァ。

真打■柳家さん喬 「中村仲蔵」
「狐につままれたみてェだ」
「そうかも知れないよ、信心したのがお稲荷様だ」

お仲入りで御座います。

権太楼師匠、「中入で替えた根多をさらう(復習する)」なんてぇ云いつつも、入り口付近でサイン会を開いている様子。
弟子が叫びます。
「さん喬のサインも権太楼が書きまーす」

くいつき■柳家さん喬 「掛取万歳」
大家を狂歌で、
浪速屋の番頭を義太夫で、
魚勝を喧嘩腰で、
相模屋の番頭を万歳で帰します。

奇術■ダーク広和
クリスマスイヴに足を怪我したなんてぇ、足を引き摺ってますな。
何故か理由は述べませンが。
演ッてる本人も不思議という、紐マジックです。

トリ■柳家 権太楼 「富久」
まくら、「有馬記念が残念な結果になりまして・・・」なんてぇ、馬の名を羅列してましたな。

暮れにひとり御神酒で泥酔する幇間(たいこもち)一八の悲哀がずしりと響きましてねぇ、酒でしくじっても酒に逃げるしかない哀しさは、一番富ぐれェじゃ祓えないンでしょうな。(涙)

今年の寄席納めってんで、ご近所さンで祓ってゆきましょうかねぇ。

(了)

投稿者 yoshimori : December 29, 2008 11:59 PM
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