March 11, 2009

◆"Ganbare Goemon -Karakuri Dochu- (1986/KONAMI)"

八時前に目を覚ましまして、窓から外を眺むるってぇと、空が青いですなァ。
こういう天気の好い日には、地下に潜って、真っ暗な闇ン中活動でも見ようってんで、東中野に向かいましてねぇ、最前列に腰を下ろします。

『小三治』

出演:
柳家 小三治
入船亭 扇橋
柳家さん八
柳家 小里ん
三遊亭 歌る多
桂ざこば
立川 志の輔
桂米朝
<小三治一門>
柳家 〆治
柳家 喜多八
柳家はん治
柳家 福治
柳亭 燕路
柳家 禽太夫
柳家 一琴
柳家 三三
柳家 三之助
柳家ろべえ
柳亭こみち

ピアニスト:岡田知子
語り:梅沢昌代

禁煙しているはずの志の輔師匠、小三治師匠との二人会にて楽屋でキャビンを握り締めている映像が印象的でしたな。
また、小三治師匠の旧知である扇橋師匠の壊れっぷりが大変微笑ましいってんで、今後も両師匠のセッションは注目してゆきたいので御座います。

外はまだ明るいってんで、ここはひとつ窓も無い閉ざされた空間で寄席芸人でも観よう上野に向かいますな。
続きまして、『上野鈴本演芸場 三月中席 夜の部』で御座います。

前座■春風亭 朝呂久 「桃太郎」
前座にしては珍しくまくらをふってましたな。
「最近の子どもは頭を撫でようとするってぇと、『触んなよ、セットが乱れるだろ』なんて手を払われます」

あたしの斜め前に座る初老の男性、幕の内弁当をファンタ・グレープを片手に食べてて、叩き落としたくなる衝動を抑えるのに一苦労でしたな。
閑話休題。

二ツ目■林家 彦丸 「垂乳根」
あたしが知ってる噺と違って、八五郎の下に嫁ぐ女子の名の言い立てが長かったですな。

太神楽■翁家 勝丸
宴会芸としての手拭いの顎乗せ、
「毎日十五分で三年みっちり」って修行じゃん。
いつも失敗していた、鞠を三つ用いる籠芸は止めちゃったみてェですな。
「和傘に名前が付いてます。クリスティーです。わがさ、クリスティー」

落語■古今亭 菊志ん 「権助提灯」
旦那に応対する妾の三つ指出し加減が素晴らしいですな。

落語■春風亭 一朝 「湯屋番」
春風亭では、若旦那の奉公先は「奴湯」なんですな。

漫才■大瀬ゆめじ・うたじ
師匠方には申し訳無ェですがねぇ、喫煙所へ向かいます。
演芸場の出入り口にて、菊志ん師匠、一朝師匠の撤収姿を目撃。
街ですれ違っても分からんなァと思いました。

落語■春風亭 百栄 「鮑熨斗」
百栄師匠、剃り跡が濃いのか、泥棒ヒゲんなってますなァ。
まくら、「近所の回転寿司にて白人店員に湯呑みを要求するけども湯飲みが分からない。『ゆーのーみ』と何回か繰り返すと、『シリマセーン』と云われました。・・・嘘ですけど」
知ってた。

甚兵衛、「長屋からつなぎ」を「名古屋から津波」と間違ィて、「逃げますか?」なんてぇ続けます。
冒頭での「俺勝ったのか?」ってのが、じわじわと笑えてきますな

落語■桂 藤兵衛 「長屋の花見」
藤兵衛師匠、前にお見掛けした時よりも老けてましたなァ。
白髪が増えたンですかねぇ。

お仲入りで御座います。

奇術■ダーク広和
奇術の師匠には申し訳無ェんですがねぇ、再び喫煙所へ。
既に高座は終わっているのに何故か楽屋に戻る、私服の百栄師匠を目撃。
師匠がアキバ系にしか見えないってぇのが、大変残念で御座います。

落語■柳亭 燕路、代演:桃月庵 白酒 「鶴」
「燕路師匠、つわりが酷いということでお休みで御座います。明日には来られると申しておりました」
代演らしい、軽い演目を一席でしたな。

三味線漫談■柳家 紫文 「長谷川平蔵市中見廻り日記」
鬼平の見廻った先に登場する、商人と芸妓の会話が全て駄洒落になってるンですな。

「ねぇ、薬売りの方、よく眠れるお薬頂戴な」
「ねえさん、それはありません。富山のクスリは、置き(起き)薬~」

「綿屋さん、商売物が落ちたわよ」
「こっとん」

「金魚屋さん、出目金の横に泳ぐのは何ていう魚かしら」
「ねんきん」

「平蔵がはばかりで紙を探すが、ここは寺だけに神は無い。坊主にくれとせがんだら、『何枚だ~、何枚だ~』」

トリ■林家 正雀 「梅若礼三郎」
袖引き(物乞い)の女に三両ばかし恵んだ、実は義賊の礼三郎だったが、女の隣に住む魚屋が女より三両をくすね、中(吉原)で支払いに用いるも、盗まれた大店の刻印入りだった為に魚屋は縄目に付き、女とその亭主も奉行所に連れてゆかれます。
えっ、礼三郎、そこで自首するンですかィ。
どうにも後味が釈然としないのは、古典大根多の特徴なンですかねぇ。

踊り■林家 正雀・彦丸 「活惚(かっぽれ)」中席初日ってんで、正雀師匠と、弟子の彦丸あにさんが掛け合いで踊りますな。

suzumoto_06.jpg
追い出しが「デテケデテケ」と鳴ります

河岸を替えて般若湯でもなんてんで、上野を後にしますな。

(了)

投稿者 yoshimori : March 11, 2009 11:59 PM
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